巡りがつけば楽になる!五行で身体の働きが伝達されて循環する

病院に出かけて病気の診断を受けるようになるまえに、何だか調子がおかしいなという状態を経験することが多いと思います。できればこの段階でケアできれば、病院のお世話になる面倒を回避できる場合も多いのではないでしょうか。

人によっては高熱を出したまま職場に出てきて、責任をまっとうするという気概を持っている人もいます。そして最終的に職場から救急車で病院に直行する場合もあるようです。

職務に忠実であるという反面、自分の体調管理が不十分な人だという評価を免れないでしょう。最終的な段階に突入する前にケアできていれば、被害はもっと抑えることができたはずです。

大切なのは出来る限り初期の段階で変調に気づいて、ケアを加える判断ではないでしょうか。そのためには普段から自分の体調を観察している慎重な態度が必要です。

東洋医学の世界では、体調不良として大きく2つに注目しています。ひとつは「だるさ」、もう一つは「痛み」です。どちらも次の段階に進むともはや病気になってしまいます。

でも、どちらの感覚があっても病気だと判断しないでしょうし、だるいからと休んでいると怠け者と評価されません。痛みも我慢できるかできないかで判断しているようです。

この2つに早く気づいていれば、自分で対処できる場合が少なくないでしょう。そのために必要なのは東洋医学的な身体理解と痛みとの関係です。

人間の身体もひとつの装置のように機能を分担して動いています。この機能を分類して、よく知られた「五行」という言葉で表現しています。つまり「木火土金水」というシンボルです。

身体を作っているフレームとして木行があって、陰陽に分かれて、肝と胆としています。これは生命の入れ物である身体そのものを造り、維持するための枠組みです。

そして外部から燃料を取り込んで、内部に貯めこむ機能として土行があります。これも陰陽に分けて腎と胃になっています。これによって外部から燃料を内部に受け渡ししています。

そして肝心のエネルギーを発生させるエンジンの役割を果たす火行があります。火行の陰陽は心と小腸ということになっており、これに関しては西洋医学も似たような発想をしているように思えます。

外界と体内との接触を管理してインターフェースのような機能を果たす金行が意外と重要な機能で、全体の機能を潤滑する働きを担っているのが肺と大腸の陰陽です。

それぞれの機能を循環する巡りをつけているのが水行である陰陽、腎と膀胱という区分なのです。これらはいずれも内臓の意味ではない点に注意が必要です。

さて、これらの概念を使って先ほど挙げた2つの症状を捉えることができます。だるさは巡らせる力が弱っているからだといえます。巡らせる元の力はエンジンである火にあります。

ですから火が弱っている原因を考えてケアします。そもそも疲労が蓄積しているからかも知れません。エネルギー消費に対する供給が間に合っていないことが原因しているかも知れません。

火が弱る原因は人それぞれです。人によってもともと備わっている活動力が異なっているからです。いずれにしても、一旦活動量を十分に減らしてから、少しずつ活動量を増やしていく手順によって改善されるはずです。

もう一つの痛みについては、多分エネルギー不足が問題ではなく、巡りがついていないことが問題になるはずです。どこかが詰まっているのに、そこに頑張って圧力を加えてしまうと痛みとして感じられます。典型的なものが肩こりですね。

じっとしていても改善されません。身体を休める必要がありますが、じっとしているのではなく、揺らすなど、僅かに身体を動かすことが大変効果的です。